不眠症を簡潔に言うと、「何らかの問題が睡眠時にある」状態です。眠れないと言う症状はもちろん、寝ている途中で目が覚めてしまう、なかなか寝付けない、眠りながら徘徊するといった症状も不眠症として挙げられます。
不眠症になると、日中にも影響を及ぼします。起きている間、全身がだるい、集中力が持続しない、常に眠気に襲われるなど体に症状が現れます。さらに体の異常は、心の異常にも繋がり、ささいなことでイライラしたり、気持ちが落ち込むなどの症状も現れやすくなります。
ライフスタイルの多様化する現代社会では不眠に悩む方は珍しくありません。成人のうち少しでも不眠を感じている方は、全体の約3割から5割程度存在し、1割の方は慢性的な不眠症で悩んでいます。
不眠症を治療するためには、まずその原因がどこにあるのか、客観的、主観的情報など様々な角度から考えて整理することが重要です。
専門の医師のもと、適切な治療を行うことで症状の回復が見込めます。
不眠症の症状・サインは、
の4つに分けることができます。
具体例には下記のような症状が挙げられます。
不眠症は、睡眠時間の身近さに必ずしも比例するものではありません。
たとえ、睡眠時間が長くても、起床時に睡眠不足の実感が強くあることや、睡眠が原因で日常生活に支障をきたしている状態が不眠とされています。
自覚症状により不眠症は、下記の4つに分けることができます。
中途覚醒: 一度寝付いても、夜中に目が覚めてしまい、その後眠ることができない状態
早朝覚醒:スムーズに眠ることができても、早朝に目が覚めてしまい、再度眠ることができない状態
熟眠障害:眠る時間は充分取れているにも関わらず、深く眠れた感覚がない状態
入眠障害は眠りたいときに眠れないことを辛く感じます。
早朝覚醒や中途覚醒が何度に分けられます。、休養が取れていないように感じたり、疲れが溜まっている感覚になります。
熟眠障害の理由には、眠りが浅い、ノンレム睡眠が取れていないなどがあります。
不眠になる原因は以下のように五つに分けられます。
大きな緊張やストレスが不眠を引き起こす原因となります。そのため、真面目や神経質な性格な方は、精神的負荷による不眠症になりやすい傾向があります。
また、現代社会ではライフスタイルが多様化してきています。その影響で昼夜の行動範囲が似通ってきており、その結果体内リズムが狂ったり、睡眠に乱れが生じたりします。夜勤やシフト勤務による不規則な就寝期間が原因となることがあります。
心の病の中には、不眠を症状として伴うケースもあります。
実際に不眠症の発症だけでなく精神的な問題を併発している場合が多くあります。その場合は、様々な方面から治療が必要となります。
現在服用しているお薬の副作用により眠れなくなっている可能性があります。お薬が原因の場合は、飲むことを中止すれば症状の改善が見込めますが、常備薬などはいきなり服用をやめることは難しいでしょう。お薬の処方変更を受診された際にご相談ください。
喫煙を続けることで慢性閉塞性肺疾患(COPD)という病気になることがあります。慢性閉塞性肺疾患になると気道が炎症を起こし、呼吸を妨げられることが不眠症に繋がります。またコーヒーに含まれるカフェインやタバコに含まれるニコチンは覚醒作用をもっており、それもまた不眠症の原因となりますので、まずは夜の摂取を控えましょう。
不眠症の治療方法は原因によって、また軽度か重度なのか症状の具合によって変わります。軽度であればできるだけ規則正しい睡眠の癖をつけることなど「行動の変化」、ライフスタイルの改善から実施します。加えて、不眠症のタイプを判別し、適宜必要な睡眠薬などお薬の処方を行います。
また、不眠症の原因が不安障害やうつ病などの他の病気の可能性も多々あります。
当院では、患者様のお話をしっかりと伺った上で、不眠症の原因とそのタイプを見極めることで適切な治療方針を選択します。
患者様側から眠れない時の自覚症状をお伝え頂けると診断がよりスムーズになります。
寝つきが悪い場合はオレキシン受容体拮抗薬または超短時間作用型の睡眠薬が有効です。
また、寝付けない原因が不安にある場合は、不安に対して有効とされるベンゾジアゼピン系抗不安薬を処方する場合があります。
早期覚醒や中途覚醒の症状が比較的軽度であれば、オレキシン受容体拮抗薬や短時間作用型の睡眠薬を使う場合があります。
早朝覚醒や中途覚醒の症状が強いときは、中時間作用型の睡眠薬や抗精神病薬を中心に、催眠作用を伴う抗うつ薬を複合して活用していくことが必要です。長時間作用型の睡眠薬も効果があります。
不安が原因となるケースでは、リラックス効果があるとされるベンゾジアゼピン抗不安薬を使用することが中途覚醒の改善に繋がることがあります。
睡眠時間は十分なものの、深く眠った実感がない症状を熟眠障害と言いますが、熟眠障害には深い睡眠状態(徐波睡眠、SWS)を増加させるような薬剤が有効といわれています。
SWSを増幅させる薬剤として、抗うつ薬や抗精神病薬、抗てんかん薬などが挙げられます。
また睡眠の覚醒リズムが整っていない場合には、メラトニン受容体作動薬で効果が出る場合もあります。
基本的なことですが、規則正しい睡眠時間を取るようにしましょう。ただ、何時に寝るかなどの睡眠時間には個人差があります。毎日ご自身に合わせた同じ時間に寝床につくことが重要です。同じ時間に床に就くことによって、身体が睡眠する時間を認識し、自然な睡眠となります。
また、毎日同じ時間に起床し、起きた後はベッドの上で過ごす時間を減らしましょう。起床時間を規則化することによって入眠時間も整ってきます。
軽いジョギングなど適度な運動をすることは、良い神経伝達物質が放出されるため良い睡眠に繋がります。
運動は毎日無理なく続けられる範囲で少しでも運動の時間を確保するように心がけましょう。
しかし、入眠前の5時間以内に運動した場合、脳や心臓が刺激されて目が冴えてしまうという報告もあります。時間帯に注意して運動するようにしましょう。
精神的負荷や心配、不安などは睡眠障害を引き起こす原因となります。読書や温かい湯船にゆっくり浸かるなど一番リラックスできる方法を探してみましょう。
スマートフォンやタブレット、テレビ、パソコンなどの光を発する端末の使用は刺激があり目が冴えてしまうため、就寝1時間前になったら控えましょう。
入眠を妨げる原因の一つに空腹が挙げられます。逆流性食道炎の患者様を除き、空腹を感じる時は消化に良いものや温かい飲み物などは食べても問題ありません。しかし、通常の食事は、寝床につく数時間前までに食べ終えるように心がけましょう。
少量のお酒はストレス発散に効果的なため、適度な量と時間を考えた上で飲酒は問題ありません。ただし、就寝前の飲酒は睡眠の質を低下させるため控えることをお勧めします。
また、睡眠薬を服用されている場合.、飲酒を控えるようにしてください。
睡眠薬とお酒の組み合わせは相性が悪く、同時に摂取してしまうと、もの忘れやふらつき、おかしな行動をとってしまうなどの副作用が現れることがありますので注意が必要です
「メンタルケアで全ての人が今よりも生きやすく輝ける未来を目指して」
明るい未来を紡ぐために、当院は一心一意に皆様の心に寄り添ってまいります。
心のお悩みや困りごとがありましたら、どうぞ何なりとお問い合わせをくださいませ。
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