躁うつ病の症状、特徴などは「うつ病」、「抑うつ状態」と非常に似通っています。
丁寧に問診を行うことで早期判断を下すことが出来ることもありますが、場合によっては 専門機関の医師であっても「躁うつ病」か「うつ病」かと言う判断を下すのに数年を要する場合もあるほどです。しかし、疾患としては全く別のものであると考えるべきであり、いずれにしてもまずは経験豊富な精神科医の受診をお勧めします。
躁うつ病ではうつ病と比べた場合、ご本人ではなく家系からの遺伝、親族(両親とその兄弟、いとこ、祖父母)の発症に影響する部分も多く、それを把握することも重要と言われています。
また躁うつ病は統合失調症と生物学的に病態が近いとされるケースもあり、やはり慎重な服薬治療・心理的療法が大切です。適切な「服薬治療と心理社会的治療」を受けることができれば、うまく生活と向き合い、健常者と変わらず、それ以上に豊かな人生を歩むこともできます。
「双極性障害」と言われる理由はうつ病と異なり、憂うつで意欲が低下する抑うつ状態と、非常に気分が高揚する躁状態・軽躁状態という両極端な心理状態が交互に切り替わるからです。気分が交互に切り替わるため、躁状態に気付かずに正しい診断が遅れるケースがあります。症状が疑われる場合は早めの専門医への受診をお勧めします。
躁うつ病の躁状態は下記のような症状がみられます。
躁状態は周りの方に気を遣わせたり、無計画な買い物をしてしまったり、事故を起こすなどの原因となります。また、病気という実感が湧かないケースもあり、結果的に人間関係を壊してしまう、社会的信用を失ってしまう可能性もありますので注意が必要です。
躁うつ病の抑うつ状態は下記のような症状がみられます。
単に気分が落ち込む症状ではなく、原因は神経伝達物質の不足などにあるといわれています。
躁うつ病では、気分が落ち込む抑うつ状態と気分が高揚する躁状態との間に、症状がない期間が存在します。しかし、症状がないために無症状期間に継続した正しい治療を受けないと、この期間が徐々に短くなっていく傾向があり、治療の効果が出づらくなるなるためご注意ください。
躁うつ病はストレスが発症のきっかけとなることがありますが、直接の原因は遺伝的な体質が関連して神経伝達物質の機能が変化することだと考えられています。
躁状態や抑うつ状態を繰り返すようになる理由はまだはっきりと分かってはいませんが、脳内の情報伝達の乱れによるのではないかと考えられています。
上記で述べたように躁うつ病は継続的な内服を含む服薬治療の重要性がうつ病と比べてもより高く、治療の要とされます。
加えて、各種制度の利用や精神療法、働き方の見直しなど、様々な対応方法があります。患者様の状態から複合的に考えて決めて最適な治療を選択していきます。
気分安定薬を使った治療が躁うつ病には有効だと考えられていますが、気分安定薬を服用する場合は血中濃度に合わせて厳格に分量を調整する必要があります。
また、各々の症状や状態によっては抗精神病薬や睡眠導入剤などのお薬を組み合わせる場合もあります。服薬する場合は医師の指示に従い服用してください。
加えて、心理療法も有効です。代表的なのはご自身の感情や思考パターンの歪みを理解し、気持ちのコントロールがうまくできるようにサポートする認知行動療法です。医師やカウンセラーと会話を行い、物事の捉え方や問題になる行動について考えを矯正していきます。
「うつ病」や「躁うつ病」といった病と向き合うためには、「心の癖」とどのように向き合うかが回復のポイントであり、ストレスを溜めすぎず病気にも向き合うことが大事です。「明日は今日よりも良くなるだろう」と前向きに明るく考える方のほうが経過良好なことが多いです。「〇〇病だからこの治療を受けなければならない」、「この治療がよくなる唯一の方法である」など考えすぎないことが大切です。
似通った部分はありますが「躁うつ病」「うつ病」は全く異なる病気であり治療薬も異なります。
双極性障害とも呼ばれる「躁うつ病」は、うつ病で見られる抑うつ症状と、気分高揚などの躁症状が交互に現れます。
一方、単極性うつ病とも呼ばれる「うつ病」は、憂鬱な気分になったり、物事を取り組む気力がなくなったり、食欲不振、不眠といった症状のみが見られます。
加えて、「躁うつ病」と「うつ病」は原因も異なります。
躁うつ病は遺伝的な体質により、神経伝達物質の機能が変化することが主な原因だと言われています。
うつ病の場合は精神的負荷が主な原因となります。通常、精神的負荷により引き起こされたストレス反応に対してはホルモン分泌がされ、それによりストレス反応が止まります。しかし、うつ病になるとストレス反応が止まらず、継続的にストレス反応が起こってしまいます。
「メンタルケアで全ての人が今よりも生きやすく輝ける未来を目指して」
明るい未来を紡ぐために、当院は一心一意に皆様の心に寄り添ってまいります。
心のお悩みや困りごとがありましたら、どうぞ何なりとお問い合わせをくださいませ。
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